旭山動物園：オランウータン館

オランウータン館という看板の建物にはいると、顔の両サイドに板のような物がそそりたち、胸にはよだれかけみたいな前だれがついている動物がいました。
「あれ？違う種類のサルかな？！」と思ったけど、れっきとしたオランウータンのオスでした。
オスとメスでみかけが随分違うんですね。知らなかったー。
彼の名はジャック。
一日に300mしか動かない、と飼育員さん手書きの紹介ボードに書いてあって、たしかにうずくまったまま全く動こうとしない。
お客さんたちもしばらく眺めた後あきらめ顔で去っていく中で一人、猛者がいました。

「ジャーーーック！！こっち向いて！ジャアアーーーックウーーーー！！！」

あき竹城によく似たそのおばはんです。
周りからの冷たい視線などものともせず、大声を張り上げジャックを動かそうとがんばっています。
なにか確信に満ちた声と顔つきで、しつこくジャックに呼びかけています。
あまりに堂々としているので、なにかの撮影かと思いました。
しかし周りにはカメラはなく、ひとりできている様子。
監視員さんもとくに注意せず、周りのお客さんたちは「そりゃこっち向いてほしいけどあんたやりすぎだよ・・・」と思っていたそのとき。
ジャックが動いたのです！！

おおお、一日300mしか動かないジャックがこんなに動いてくれちゃっていいのでしょうか？！
くやしいけれど、おばさんのおかげかもしれない・・・
そんなことを思っていると、ジャックがおばさんの頭上のあたりに移動しました。
おお、心が通じたの？！
と、思ったら、背中をむけておしっこをしました～。（笑）
けっこう高い位置からじゃばじゃばーーーとやったのでしぶきをおそれてみんないっせいに柵から離れる！
やっぱりうるさかったのかしら？
そのあとはまたうずくまって寝ていました。
ありがとう、おつかれさま～！