さくらんぼno.10~12

朗読コンサート「さくらんぼエルフリーデ」のために

そこに、彼がいたのです。
大きくてまんまるくて、エルフリーデは一目で彼に恋をしました。

ところがひつじ雲がやってきて、彼は見えなくなってしまいました。
「雲さん！雲さん！」
エルフリーデは小さな声で呼びかけました。

ひつじ雲はようやくエルフリーデに気がつきました。
雲は何も知らないエルフリーデに、あのまんまるい彼は「おつきさま」という名前だと教えてくれました。
おつきさま、なんて素敵な名前！
エルフリーデはひつじ雲に、おつきさまのところに連れてってくれるよう頼みました。