AtelierMina’s blog

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背守りワークショップ

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背守り。
せまもり、と読みます。
いつの頃からかは分かりませんが、母親たちが子供の着物の背に縫い付けたお守りのことです。
お守りといっても、神社で売っているようなものではなく、糸で形作られたシンプルな印のようなもの。
時代時代に形を変え、お母さんたちの工夫が加わり、様々な形が作られました。
その根底には常に子の健康、安全を願う母の祈りがありました。
鳴海友子さんは、そんなお母さんたちの思いに惹かれ、背守りのついた着物の収集を始められ、現在はワークショップを通して現代のお母さんたちに背守りの精神を伝えておられる方です。

個展二日目、11月20日にその鳴海友子さんをお迎えして、ワークショップをしていただきました。
13名のお母さん、お父さん、子供たちが集まり、鳴海さんのお話を聞き、真剣なまなざしで背守りの縫い付けを体験しました。

貴重なコレクションも数点持ってきてくださいました。
古い着物なので、移動するだけで痛んでしまうものもあります。
そのためコンディションの良いものを選んで見せてくれました。

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まるでパッチワークみたい!
フリルまで付いています。
背守り部分は独立していて、襟にだけ縫い付けられています。

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鳴海さん曰く、「こうもりではないか」と。
たしかに目やヒゲがついています。
綿も入っていて、ふっくらとしています。

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緑のひだも含めて背守りだそうです。
花器に入った花が縫われています。
フリルがなんともおしゃれ!


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そしてこちらは現代の背守り。
参加者の作品です。
基本の12針、というのを習いました。
襟のすぐ下から縦に9目、斜めに3目。
12ヶ月守られるように、という意味だそうです。
女の子は右下がり、男の子は左下がり。

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アレンジを加えて、糸の色を変えて増やしたり、ウッドビーズを最後につけたり。
「気持ちをもって針をもつことが大事なのです。あとはなんでもいいの」と鳴海さん。

ただ12目縫うだけなのに、やってみると意外と難しい!
何度もほどいたり、色選びを迷ったり、どんどん付け足したり、それはもう賑やかにみんな夢中になって針と格闘していました。
とても楽しそうでした。
赤ちゃんを抱いて参加した若いお母さんは、「家に帰ったら家中の服に背守りつけるよ!」と言っていました。(笑)
皆さんの熱気にあてられて、ほっこり充実した日になりました。

鳴海さん、参加者の皆様、ありがとうございました!