AtelierMina’s blog

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ボストン美術館展

昨日、六本木ヒルズ52階 森アーツミュージアムにて開催中のボストン美術館展に行ってきました。


このように、ゴッホの絵がチケットやポスターになっていました。
これが一押しの絵だとすると、大したことない内容の展示かな・・・とあまり期待せずに行ったのですが、予想を裏切る充実の展覧会でした。
まず最初にあやまりたいのは、このゴッホの絵が、実物を見たら本当に素晴らしかったこと!
印刷物やこの写真とは全然違いました。
もっとつややかで、しっとりとしていて、瑞々しい色でした。輝いてた!
わたしは画家の中の誰が好きかと聞かれたら、うーんと少し考えて、ゴッホ、と答えるのですが、改めてゴッホが好きだなと感じました。
ついさっき描きあがったような、生々しい絵の具の艶にドキドキしました。
ゴッホ好きなので、贔屓目が入っていますが、展示されていた絵の中で一番良かった。
これがポスターになっているのも道理だといまさら納得しました。


さて、展示全体について感じたことをお話ししたいと思います。
テーマごとに分けて展示されていたのですが、その導入にあるパネルの説明文が、簡単な言葉でわかりやすく書かれていて、好印象でした。
展示に解説文はつきものですが、たいていこねくりまわした分かりにくい表現が多くて、ほとんど読まずに通り過ぎるのが常ですが、この展示の文章はなかなかよかったです。ぜひ読んでから絵をご覧になると、理解が深まり面白いと思います。


分類の仕方も良かったです。
まずは肖像画、続いて宗教画、室内画、日常画、風景画、近代静物画、という並びでした。
これは絵の歴史でもあります。
お金持ちが自分の姿を描かせた肖像画、同じく教会からの注文によって描かれた宗教画。
やがて偶像礼拝や豪華すぎる教会の装飾への迫害が起こり、絵の題材は庶民の日常へと移っていきます。


それぞれの部屋の中に時代の異なる作品がかかっているため、同じ肖像画でもファンアイクが描くとこう、ピカソが描くとこう、ルノワールが描くとこう、と画家の違いを感じやすいなと思いました。
そのため、普通の展示だと目玉の作品以外は飛ばして見てしまいがちな、あまり有名でない作家の作品も、比較して見る面白さがありました。

ボストン美術館はモネの作品の所有数が多いことでも有名です。
この展示では、モネの風景画10点を配した半円状の部屋が作られ、あのモネの睡蓮の間を思わせるつくりにニヤリとしました。
モネについての壁の解説文に、そうかなるほど、と思わされました。

「モネは、常に変化しつづけている自然の一瞬を切り取る目を持っていた」

モネの絵からは、人間の目では追い切れないような色をしていて、一種写真のハレーションや青みに近いような色合いを感じました。
「積み藁」は絵の具が発光してるんじゃないかと思うほどのまぶしさ。
自然の一瞬を切り取ってキャンバスに焼き付けているのですね。


部屋と部屋の間にあった、画家年表と画家紹介も面白かったです。
印象派の時代、あのへんの画家はみんなほとんど同い年だったんだなとか、モネが死ぬ数年前にピカソが生まれていることも知りませんでした。
絵画の歴史を大きくとらえる良いきっかけになりました。
もう少し勉強してみたいな。


ボストン美術館展は、六本木ヒルズでは、6月20日までです。
その後、京都へ巡回します。
http://www.asahi.com/boston/intro/